日々の仕事を1つずつ改善しよう | スターヒルズ企画
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日々の仕事を1つずつ改善しよう

  • 仕事のやりがい

日々の仕事を1つずつ改善しよう



日本の製造業がかつて世界をリードしていたのは、製造現場の絶え間ない改善
裏付けられた現場力が根底にあったからです。

業種によっては、見るも無残な姿になっている今、もう一度強い日本の製造業を
取り戻すために、日々の仕事の地道な改善の積み重ねによる強い現場力の再生
について考えてみたいと思います。

1. 現場力の重要性

日々一つずつ改善し続ける人

日々改善する人

先週、世界を駆け巡ったニュースはイギリスのEU離脱でしたね。
円高、株安で金融業界はまるで嵐のような状況でした。

こんな中で、特に製造業は浮き足立っている感じはありませんでした。
なぜなら、製造業の現場力の根底にあるのは「絶え間ない日々改善の継続」だからです。

高度経済成長期を経て、バブルが崩壊して以降、日本では失われた20年と言われ
経済成長が停滞し、企業の力が目に見えて衰え、消費や雇用にも悪影響を及ぼし、
デフレーションの時代に突入していきました。

日本経済が長期的停滞から脱するには、生産性の高い企業がシェアを拡大できるよう、
新陳代謝を促すことや中小企業の生産性を高めることが必要だと言われています。

すなわち、企業の現場力を高め、労働生産性を高めることが必要だということです。

ここでは、『現場力を上げる』というのが重要なキーワードですね。

現場力を上げるためには、日々の継続的な改善が絶対必要です。

このことはローランドベルガー日本法人会長の遠藤功さんも語っています。

2. 現場力を高めるためには

ーローランドベルガー日本法人会長・遠藤功さんー

(1)成果の出せる会社とそうでない会社の差

「ビジネスモデルは同じなのに、あの会社はなぜ当社よりも利益が上がっているのか。
なぜ当社よりもユニークな商品を次々と出せるのか。
なぜ当社よりも顧客の評判がいいのか。
なぜ当社よりも社員の目が生き生きと輝いているのか。」

これらはすべて「現場力」の差に由来すると、遠藤さんは指摘しています。

現場力は本来、日本企業ならではの強みであったはずなんですが、今、大きく
揺らぎ始めているといいます。

では、現場力を高めるためには、どんなことが必要になってくるのかについて
遠藤さんは次のように語っています。

(2)現場力の高め方

『現場力を高めていくためには、大きな改善を一気に目指すのではなく、微差
こだわっていくことが重要です。

「微差」というのは、「他社もいいものを作っているけど、御社は融通が利くよね」とか
「ここの部分については品質が安定しているよね」といった、ちょっとした差のことで、
そのわずかな差が積み上がって、やがて大きな差になるのです。

その「微差」を単発ではなく、「たった1ミリでいいから、より良くして行く」という改善の
努力を組織全体で継続的に行っていくことが強い現場を作ることになるのです。

「イノベーション」や「革新」という言葉がやたらともてはやされますが、1ミリの微差も
生み出し続けられない会社がイノベーションを実現できるはずがありません。

イノベーションは微差の積み重ねによってしか生まれないのです。』

3. 日々の仕事の改善の積み重ね

イノベーションは「微差」改善の積み重ねによってしか実現できないと、
ローランドベルガー日本法人会長の遠藤功さんは指摘しています。

これはTQM(Total Quality Management)の中で3つの必要な要素と言われている
品質第一」、「全員参加」、「継続的改善」にも通じています。

※TQM(Total Quality Management)

組織全体として統一した品質管理項目への取り組みを経営戦略へ適用したもの

(1)日々の仕事の改善の手順

日々の仕事の改善の重要性はすでに述べた通りですが、どうやって継続的に改善を
実行していけばよいのでしょう。

一番効果的なのは、PDCAを愚直に廻し続けることだと思います。

PDCAの記述についてはこちらのブログをご覧ください。

「仕事に対する不満の2つの心理学的意味と楽しさへの気付き」

ローランドベルガー日本法人会長の遠藤功さんも指摘されていますが、まずは、
当初計画通り改善が実行できたのかどうか、成果は計画通り上がったのかどうかを
確認し、評価・反省します。

そうすると、必ず、次の新しい問題が見えてきて、問題点を洞察し、課題に取り組みます。

トヨタ生産方式の改善の考え方においても、次のように言われています。

「改善をやってみて、その改善が良かったのかどうかを判定するには、やった後で、
次の改善点が見えてきたかどうかである。次に改善点が見えてきたら、その実行に
取り掛かりなさい。」

これはトヨタでは「絶え間ない改善」といって、基本中の基本の考え方です。

このように、発展を続ける企業は常に足元で絶え間ない改善努力を続けているのです。

そして、これは大企業だけでなく、中小企業や個人企業でも同じなのです。

(2)改善を続けていくと仕事がどんどん楽しくなる

日々の仕事をどんどん改善していくと、現場にはどんどんやりがいが出てきます。

昨日より今日、今日より明日というように、現場が日々目に見えて変わっていくわけですから
当然現場の意識も変わっていくわけです。

言い換えれば、現場が自分たちの仕事の価値や意義をしっかり自覚しているということです。

すると、強烈な当事者意識が芽生え始め、自らの問題として、現場の改善が自律的に
どんどん進んで行くという現象が現れます。

4. 経営として考えるべきこと

現場はどんどん改善が進み、やりがい感が芽生え、仕事が楽しいと思える人が増えつつある時、
経営者はどう考え、どう行動すべきでしょうか。

現場には、経営者の人間性がそのまま出てきてしまうんですね。

厳しく接することも重要ですが、それだけでは現場には笑顔がなくなってしまいます。

経営者は現場を鼓舞するような前向きで明るい言動が必要なんです。

具体的には、経営者は夢を語るべきなんです。
経営者が大きな目標や志をしっかり語ることが大切なことです。

経営者は目標を与えることが役割、現場は目標を達成することが役割なんです。

企業はコアコンピタンス(競争の核となる能力)を社内で大事に育て、同時に、現場には
優秀なナレッジワーカーをいかに多く育てていくかが今後の課題のような気がします。


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